マイホームの夢を叶えたシングルマザーが奮闘した365日★4話

 

 

 

 

42歳。まだ離婚はしてなかった頃、パートの少ない収入では家など買えないと思い正社員という道を選びました。

 

 

 

 

つづき

 

 

 

 

 

私のマイホーム購入計画は、悔しさからのものでした。

 

 

もちろん悔しさだけでただ夢を語ることはとても簡単です。

 

 

私は厳しい現実と向き合わなければいけないことに覚悟して今をどう乗り越えるかを考えなければいけませんでした。

 

 

いちばん考えたくない今の現状を目の当たりにすることで気力がなくなる感覚でした。

 

 

モラハラ夫とマイホーム購入のとき、自営という不安定な収入ではローンを組める銀行がなかったことから、パートでの少ない収入でローンを組めるわけがないと思っても、社員という選択肢もなかなか厳しい年齢だということを思い知ったのです。

 

 

私はたまたま友人が保険業をしていたため、まぁやってみてもいいかなという感覚でしたが、保険業をやりたいと思う人はなかなか少ないと感じます。

 

 

ほとんどが私には向いてないから…とやらない選択をするのではないかと思います。

 

 

私も営業という仕事に良い印象は正直なかったですからね。

 

 

でもこの話をつかむかつかまないかは、私次第であって、それが向いているか向いていないかもやってみなければわからないことだと私は思ったのです。

 

 

生きている限り人は必ずたくさんの選択を迫られる瞬間がありますが、その仕事をするかしないかという選択は私の今まで生きてきた中の選択のひとつとなりました。

 

 

大変だからやめた方がいい、と誰からも言われたりしましたが、私の性格上やってみなければ何事もわからない!というのが私の本心でした。

 

 

だって他人の意見は他人の意見であって、その人自身ができなかったか、その周りの人からのただの情報でしかないからです。

 

 

やるのは私であって、それを良いか悪いか判断するのも私です。

 

 

他人がどう言おうが、私がどう感じるかは他人にわかるわけがないと私は思うのです。

 

 

また正社員という枠を探す理由は、福利厚生はもちろん自分の将来性でした。

 

 

私はずっと美容師をしてきましたが、若い頃の私はずっと自分のお店を持つことを目標に頑張っていました。

 

 

でも結婚に出産でそんな時間はほとんどなく、子育ても少し落ち着き気づけば30代後半でした。

 

 

この年齢から美容室経営は私の中では遅すぎることを身をもって感じたのです。

 

 

お店を出すことはお金があれば簡単に出せます。

 

 

 

 

でもお客様に来てもらうことはまた違う話です。お客様がいなければ運営は成り立ちません。

 

 

集客の大変さは経験者からの話から、自分の土台がないことを身をもって感じた瞬間でした。

 

 

子育てしかやっていない私にはお客様などついていなかったからです。

 

 

そして自営というくくりになる美容室運営ではモラハラ夫と同じになるということと、離婚話が出ている中での美容室出店の資金をモラハラ夫に出してもらうということなど話せるわけもありませんでした。

 

 

旦那を上手に使ってお店を出してもらってから離婚すれば良かったのに…など言われることもありましたが、そもそも美容師という体力仕事がいつまでできるのか?と考えたら、私は美容師を選ぶことはできませんでした。

 

 

だって、70歳まで美容師できる?と聞かれたら、私は無理だと答えるでしょう。

 

 

体力的にもそうですし、そしていちばんの心配は老眼です。

 

 

またお客様からしたら、おばあちゃんに今のトレンドを話したところでそれを理解してもらえるかと不安になるのではないでしょうか?

 

 

もちろんやっている方もいます!それはとても尊敬し羨ましいことです。

 

 

でもそれは今まで積み上げてきた基盤とお客様があるからです。

 

 

私にはそんな基盤はありません。ただ技術があるだけでは美容室運営で生きていけないと私は思ったのです。

 

 

それらを考えたら、私は美容師という仕事をずっとやろうという選択をすることはできませんでした。

 

 

お金に余裕があれば経営者としてもできた話ですが、そんな余裕すらなく、そんな人脈もありません。

 

 

とてもツラく悲しい選択でした。

 

 

19歳からこの仕事で生きていくんだ!とずっと自分の技術だけを信じてやってきた仕事の現状を身をもって知ったことでそれを選べない現実を私はとても悲しく感じました。