私はずっと監視されていました。
まだ子どもがいなかった頃、私はモラハラ夫と同棲し仕事をしていました。
通勤時間は、電車とバスを乗り継ぎ片道1時間ほどでしたが、乗り継ぎが悪いと、時間がかかる時もあるのです。それだけでも、今日はなぜ遅い!どこよってきたんだ!誰と会っていたんだ!と質問攻撃でした。
とにかくいつも何かを疑っている様子でした。その時はまだ嫉妬くらいに感じていたのです…
そのまま結婚し妊娠し出産し専業主婦になりましたが、中高校時代の友達や昔の職場の友達とのメールや電話なども良い顔はしないのです。
結婚する前の付き合っていた人や、昔の友人知人、新しい同僚、誰と仲良くなっても良い顔はせず、携帯番号も何回も変えられ、すべて疎遠にせざるを得ない状態でした。
親と会うことさえ面白く思わないようで、私が実家に行くことを快く返答することはありませんでした。
とても孤独でした。母に会うと、ホッとして涙が出るのです。
母はそんな私を見て、どうしたの?話してごらん、何かあったの?と言ってくれていましたが、私は何がツラいのか自分でわかっていなかったのです。どうしてこんなにツラいのかさえわかっていませんでした。
私は専業主婦で、子育てしかしていないし、モラハラ夫のおかげで生活ができている、という感謝をしなくてはいけない状態を意識していたからだったと思います。
今思うと、確実にモラハラ夫のモラハラというワナにハマっていたからでした。
ゆういつ近所のママ友だけは受け入れてくれましたが、そのママ友とLINEをしているだけでも、誰と連絡とっているんだと、あの見下す目は今でも忘れられないくらいの恐怖を覚えています。
マイホームに引っ越したときは、リビングには監視カメラが3つあり、モラハラ夫は仕事中外からカメラを携帯で確認するのです。私が家に居ないことを確認すると、私の携帯が鳴るのです。
どこ?
いつも連絡がくるので、怪しまれるような場所や行動を気をつけるようになっていました。
もちろん、そのような怪しまれることはしていませんし、昔の友達とも連絡しないようにしていました。
いつでも私を疑いの目で見るのは、子供が生まれてからも、子供と出かけていても同じでした。
そして、こう言うのです。
俺は若い頃めちゃくちゃモテたから、俺が誰と結婚したのかみんな興味をもっていて、お前を見た時、ああ普通だね、とみんな言うよ、と笑いながら言うのです。
普通の女ですよ!と思いながら、なのになんでいつも、どこ?誰といる?と疑うようなことを言うのか?と私には疑問しかありませんでした
犬のためと言ってつけた監視カメラは、その時はもう犬ではなく私を見ているし、家に居なければわざわざ電話までして、何をしているか聞く始末です。
私は完全にモラハラ夫の犬のような扱いでした。
モラハラ夫は仕事から帰ると、大きな音を立て扉を閉め、話声も聞こえないほどの大きな音でテレビを見ながら、メシ!コーヒー!しかいいません。
急いでごはんを出せば、これだけか…と言い、口にすると、お前の味噌汁は本当にマズイな、どうやったらこれができるんだ?とバカにするように言います。
ある日、モラハラ夫の知り合いのお寿司屋さんへ行ったときなどは、お寿司屋さんの味噌汁がめちゃくちゃ美味しいと言いながら、大将にこう言いました。
大将!コイツに味噌汁の作り方教えてやって下さいよ!コイツの味噌汁マジまずいんですよ〜!
と、他のお客様もいる中言われました。みんなクスクス笑っていました。
モラハラ夫もヘラヘラ笑っていました。
思い出したらキリがないほど、嫌なことばかりでした。
家族で出かけたとき、私が〇〇行きたいと言った時がありました。私は調べてはいましたが、意外と遠かったことに腹を立て、物凄い不機嫌になり、お前が行きたいと言ったんだろ!ちゃんと調べとけよ!どっちだよ!と他の人がいることもかまわず、大声で怒鳴りました。
周りの人はびっくりして、私達を見るのです。
それから私は、自分の意思を伝えるのをやめました。また外であんな大声で怒鳴られることが怖かったからです。
それからは、どこへ行くにも、すべてモラハラ夫に決めさせました。
子どもたちも同じでした。
とにかく自分の思うようにならないと大きな声で怒鳴ります。家ならまだしも、外でもお構いなしに突然スイッチが入り怒鳴るのです。
その時の顔も、ものすごい悪い顔で睨みながら怒鳴るのです。あの目は本当に怖いです。
モラハラ夫は個人事業主でした。お金の不自由はさほどなかったのですが、モラハラ夫の衝動買いには呆れるほどでした。
壁一面のスクリーンにプロジェクター、マイナス60度の業務用冷凍庫、そして最後は船…
どこからそのお金はでてきたのでしょう?
モラハラ夫はこう言うのです。俺が稼いできた金だ!いいだろ!
でも、私達には節約が足りない、なぜそんなに光熱費が高いんだ!無駄なものばっか買いやがって!と文句を言われます。
また子供の習い事も、勝手にきめるんじゃねーよ!俺が金出してるんだから!と言います。
子供が〇〇やりたいと言うと、じゃあ〇〇できたらいいぞ!と必ず交換条件を子供に出します。
子供は、それに面倒臭さを感じ、何も言わなくなってしまいました。
家族で外食へ行こうと言っても、中学生になった長男は来ることがなくなってしまいました。
アイツとご飯食べるなら、食べない方がまし!と言うようになってしまったのです。
モラハラ夫は、言うことをきかない長男に対してどんどん当たりが強くなっていきました。
逆らう者には制裁を与えるかのように、嫌味や文句を言い、そして最後は手を上げるようになっていきました。
長男は死んだようにずっと寝ていて、ほとんど部屋から出てこなくてなってしまったのです。
そこに、追いうちをかけるように、モラハラ夫は長男の部屋へ行き、また寝てるのか、お前は飯食って寝て息してるだけじゃんか!大丈夫か!?とバカにするような言い方で長男に言っているのです。
そして、次は長女が高校へ行かなくなってしまいました。